大手レコード会社のUniversal Music GroupがSNSのImeem, Inc.と音楽とビデオのストリーミングに関するライセンス契約をしました。
NY TimesによるとDealの詳細は不明とのことですが、Universal Musicが所属アーティストの音楽やビデオを提供する代わりに、Imeemの広告収入をシェアするというもの。CD売上の落ち込みへの打開策の1つなのかもしれません。Imeemは、Universal Music以外の3大レコード会社(EMI, Sony BMG, Warner Music)とも同様のライセンス契約を既に結んでいるので、これで4大レコード会社がこのモデルを採用したことになります。
ちなみにこのImeemという会社、2004年創業で最初はIM(Instant Messenger)やファイル共有ソフトからスタートして、広告を流した後に音楽・映像のストリーミングを無料提供するSNSへとビジネスドメインの転換を図ったベンチャー企業で、ユーザ数は1,900万人。あのSequoia Capitalの投資先企業。Sequoiaと聞くとなんとなくこのビジネスモデルは成功しそうって思ってしまう(実際市場関係者の評価も高いみたいですが)。Youtubeにしても自分とそんなに年齢が離れていない人物がDealをリードしていたわけだし、圧倒されてばかりではいかん。。。
Imeemのサイトでは、無料で1曲全てを聴くことができる。もし、ダウンロードしたければ、99セント/曲を払えばいい。iTunesを含めてWebで音楽販売をするサイトは、曲の一部だけしか聞けないのが普通なのに比べると、格段にユーザロイヤリティを高めるサービス。しかも4大音楽会社と提携してればメジャーな曲はサイト上で聴くことができる。MyspaceやFacebookなどの大手SNSでも1曲全てではないがアーティストの音楽配信を始めていて、SprialFrogというサイトでは無料でダウンロードまで出来てしまうらしい。
数年後にはCDを買う人がいなくなり、音楽はWeb上でタダで聴く時代へ変わっていくのでしょうか。
レコード会社は、CDからWebでの販売に移行して、もう1曲単位(もしくはアルバム単位)の収入モデルが崩れ去り、広告収入を得るためのコンテンツとなる音楽を作り続けることになるのでしょう。ラジオ局やTV局と似たような収益モデルになったという見方もできますが、ラジオやTVと違って好きな時に聞くことができるという点ではインターネットの特徴を活かしたビジネスモデルといえるでしょう。その結果、音楽会社の収入や利益率がどう変化していくのか、またHMVなどの販売店はどう生き残っていくのか、音楽業界のエコシステムの変革が進みそうな気がします。
Imeemは、AppleやCiscoやGoogleみたいに世界を席巻する企業へ成長していくのかもしれません。
2007-12-11
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