2007-12-04

eBayとYahoo! JAPANの提携

eBayとYahoo! JAPANが提携しました。
言語の壁を取り払い双方のユーザがそれぞれの商品を手軽に買えるように相互乗り入れをするとのこと。この提携により米国と日本での価格差がなくなり、個人(または法人)の裁定取引が出来なくなる。例えばAbercrombie&Fitchの個人輸入代行で儲けてた人がそれができなくなるということですね。ユーザとしては、取り扱い商品が多くなって、特に日本への展開が進んでいない海外ブランド商品を手軽に買えるようになるので、メリットは大きいと思う。

ネットオークション米国世界最大手のイーベイと日本最大手のヤフー(国内の約50%のマーケットシェア)が組むことになるので、日本のオンラインショッピング系の会社(特に楽天など)は影響が大きい業務提携という意味合いがあるでしょう。

イーベイの利用者数8,300万人(半数が北米)、ヤフーの利用者数660万人とイーベイの利用者数はヤフーの12倍以上いる。双方の出品商品がほぼ全て購入可能になるという前提(実際はそんなことはないでしょうが)で考えると、ヤフーの利用者の方がが利便性が高まり、その結果ヤフーの利用者数の増加、収益に拡大につながってくるように思える。
しかし、eBayサイドに立つとちょっと違った側面があるようだ。New York Timesは、この提携を”eBay to try again in Japnan by using help from Yahoo”とタイトルを打った記事を掲載している。記事によるとeBayは一度日本進出に失敗していて2002年に撤退をしている経緯があり、アジア展開を成功させるためにローカルのビジネスパートナーを探していたとある。つまり単独でうまく展開できなかった市場にその国の有力企業とのアライアンスを組むことで成功の確度を上げようとしてるということ。なお、中国ではTOM GroupとのJVによりTOM Onlineを作っていてあのAlibaba.comと競合していて(正確にはAlibabaの余裕勝ち)、タイでも事業展開を計画しているとのこと。結局この提携は双方にとってメリットある形となっていて、NY Timesの記事を見てこの提携は納得感ありという印象。

また、日米間の取引はNetPrice(Shop Airlinesのオンラインセール部門)が仲介して、落札額、国際輸送料、関税などを自国通貨で出来るようになる。日経新聞によるとユーザ側が為替リスクを負う事はないとのことだが、そこはちょっと疑問。仮に全て円表示だとしても円での表示額が日々変動すれば、それが為替リスクを負っていないことにはならないと思うし、普通仲介業者は自ら為替リスクを負う事はないから、間接的にユーザ側が負担していることになるように思える。この点はサービスが実際に始まってから検証したい項目。

この提携の影響で日本のオンラインショッピング業界がどう変化していくのでしょうか。

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