2007-11-03

北京の経済格差

年率11%のGDP成長率を誇る中国経済。
海岸部の富裕層と内陸部の貧困層、その間の存在する経済格差。
今回の訪問地は北京のみだったが、中心地と郊外で充分その格差を感じることが出来た。
若者に人気だという”前海と后海”に夜行ってみた。多くの観光客と呼び込みの店員。北京の若者に人気というよりも外国人観光客に人気という感じがする。メニューを見ても、ビール1本がRMB30で日本円に換算すると500円くらい。日本とそんなに変わらない水準である。平均給与$300と言われている中国人には高すぎるように思えた。もちろん、給与の地域差があって北京の場合もっと高いことが予想できるが、それにしても高いとその時は思った。
しかし、別の日にミーティングを終え、同僚と北京のビジネス街に近いレストランで夕食をした時には、一皿5,000円以上する魚料理を普通に注文している人達をたくさん見かけた。日本人の感覚でも高いと感じるものを友人との食事で注文できる人達がいる。自らのビジネスや給与で稼いだものではなく、過熱する株式投資や不動産投資で儲けたのかも知れないが、日本人と同等もしくはそれ以上の所得水準の人達が中国にはそれなりに存在しているようだ。

一方で、北京郊外に目をやると、まだまだ普通の民家が立ち並んでいる。子供が駆け出してきた店では、挽肉入りの10cmくらいのパイを売っていた。値段はRMB1(RMB1でも外国人プライスかもしれません)、もちろん食べてみました。うまかった! 
ここの夫婦が苦労して作ったパイ30個と前海で飲むビール1本の値段が同じというのは、なんだか忍びない気持ちになった。でも、夫婦とも笑顔でパイを作り続けてたし、近所の人達が10個単位で買っていくのを見て、なんだかほのぼのした気分になれた。ここの人達は貧困層といわれる人達よりも裕福なのかもしれない、北京中心地の中国人よりも摺れた感じがなく、生活をそれなりに楽しんでいるようにも思えた。

急速に経済発展を遂げているといってもそれは大都市の一部だけ。それ以外の地域では、まだ昔ながらの生活をしている雰囲気を感じられたでよかった。忙しい雰囲気を感じるのは、東京だけで充分。あまり人の通らない道端でフルーツを売っている、こんな街でのんびりしたいな。

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